キャリアコラム

私自身の転職経験 ~自分自身の弱みと向き合えず、逃げ続けたキャリア~

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このキャリアコラムでは、「スタートアップ/ベンチャー企業」への転職を考えている方に向けて、キャリアデザインの考え方やスタートアップ/ベンチャー企業のリアルな状況、転職成功者の実例、転職活動のノウハウ、転職市場のトピックなどをお伝えしていきます。

第5回目の今回は「スタートアップ/ベンチャー企業」の求人だけを取り扱う【Career Wake】(以下、キャリアウェイク)を運営するAttack株式会社にて、代表取締役を務める村上篤志、私自身の転職経験について書かせていただきます。

看板やブランドに頼っていた20代

まず最初に私の経歴を説明すると「慶應義塾大学」理工学部を卒業後、「早稲田大学」の大学院に進学し、その後、新卒で民放の「テレビ朝日」に入社しました。広報宣伝担当として「世界水泳」や「サッカー日本代表」、「ドラえもん」、ドラマ「相棒」などの広報宣伝を担当しました。

その後、2004年には「Yahoo!JAPAN」に転職し、新規事業(Yahoo!インターネット検定)を立ち上げ、プロジェクトマネジャーとして主に新サービスや新コンテンツの開発業務に従事しました。

また2006年には組織人事コンサルティング会社の「リンクアンドモチベーション」に転職し、大手企業向け人材育成領域のソリューション営業を担当しました。2012年には同社の子会社リンク・アイへ異動し、人材紹介事業の責任者を務めました。

そして2016年4月、Attack株式会社を創業し、現在に至る、というのが簡単な私の経歴です。

この経歴を説明すると「有名大学を出て、起業なんてすごいですね!」、「これまで在籍してきたのは有名企業ばかりですね!」などと言われることが多いですが、まったくの逆です。本当にひどい20代のキャリア形成でした。上記の文章でも、あえて「」(カギカッコ)をつけましたが、結局は大学名や企業名などの「看板/ブランド」に頼って進路を決めており、中身が伴っていませんでした。事業領域も仕事内容もバラバラです。

周囲からの見られ方を優先し、自分自身の課題と向き合わなかった

もちろん当時も自分なりにキャリアを考えていましたし、仕事を不真面目にやっていたわけではありません。それなりに仕事はしていたと思います。ただ、一番の問題は「周囲からの見られ方を優先」して、”デキる自分”を演出することを最優先していたことです。仕事と本質的に向き合わず、上司や先輩からの指摘からは逃げ続けていました。今、振り返っても情けないですし、今の自分なら当時の自分を殴ってやりたいくらいですね。自分に自信が持てず、ブランドに頼って、鎧を身に着けて自分の弱い心を守ろうとしていたんだと思います。

そして一社目も二社目も2年ほどで辞めています。当時、表向きは「やりたいことが他にできた!」と言って転職していましたが、実情は「他にもっと自分を認めてくれるところがあるはずだ!」「他の領域ならもっとパフォーマンスを発揮できるはずだ!」という気持ちでした。自分自身の課題とも向き合わず、完全に「逃げ」の転職でした。当時の自分は仕事で成果が出ないことを会社や周囲のせいにして、完全に「他責」で物事を考えていました。

テレビ朝日、Yahoo!JAPAN時代の上司、先輩、同僚の方々には本当に迷惑ばかり掛けていました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。この場を借りてお詫びします…。

転職や結婚を機に、ようやく仕事に向き合い始めた

そんな中、ようやく自分の中で少し変化が生まれたのが3社目のリンクアンドモチベーションへの転職でした。転職したての頃はまだまだ「逃げ」の気持ちが残っていましたが、さすがに20代で3社目に転職し、プライベートでは結婚もしたので、「ここで逃げたら負けだな…」という思いが芽生えました。しかし初めての営業職で、慣れない仕事に汗はダラダラ、手は震えるような状況…。当時は毎朝、一人で「今日も一日がんばるぞ!」と掛け声をかけて、頬っぺたを2回ほど叩いて出社していました(苦笑)。

そして何とか逃げずに仕事に邁進した結果、入社3年で社内で表彰されるほどの成果を残すことができました。とは言っても、当時の自分は何も誇れるようなことはしておらず、景気が良かったことに助けられたのと、単純に「逃げなかった」だけのことだと思います。他責的な気持ちはまだまだ残っていましたし、会社や上司にも迷惑をかけてばかりでした…。ただ「愚直に頑張り続ければ、いつか必ず報われる」という考えが、自分の中で仕事に向き合う上での大切な「軸」になったのはこのときの経験が大きかったと思います。

なぜスタートアップ/ベンチャーは成長できる環境と言われるのか?

その後、私は起業に至るわけですが、やはりリンクアンドモチベーションでの経験が私を大きく成長させてくれたことは間違いありません。私がリンクアンドモチベーションに転職した当時は社員数100人ちょっと、創業6年目で未上場という状況でした。今振り返ると、私が成長できたのは、以下のような環境要因が大きかったと思います。

  • 責任と裁量権が大きかった
  • 看板に頼ることができなかった
  • 目に見える結果を突き付けられた
  • 周囲の優秀な人たちと切磋琢磨できた …など

当時は営業先や商材の自由度が高く、若手にも多くの業務を任せてもらえる環境だったため、自分で創意工夫しながら仕事を進めることができ、思考力やコミュニケーション力が伸びました。また会社が有名ではないので、会社のブランドや信用力で勝負することができず、自分の実力で勝負するしかなかったため、地力が鍛えられたと思います。自分の実績が会社の業績に大きな影響を与えるため、効力感を覚えることができ、やりがいを感じながら仕事ができたことも大きかったと思います。

もちろんスタートアップ/ベンチャーに転職すれば誰でも成長できるわけではありませんし、大手企業でも成長できるとは思いますが、やはりスタートアップ/ベンチャー企業には成長するための要素が揃っていたと思います。そして自分自身が成長することは単なる自己実現ではなく、その後のキャリアの幅を広げ、収入面や役職などの向上も期待できます。

いずれにせよこういった自分自身の経験が【Career Wake】の立ち上げやコンセプトにも大きく影響しています。【Career Wake】に登録している皆さまは、私のように外堀を埋められてからようやく仕事に向き合うようなキャリアを歩まずに(苦笑)、自らスタートアップ/ベンチャーに飛び込むことで、キャリアの幅を広げていってほしいと思います。

Attack株式会社
代表取締役 村上篤志

※中途採用をお考えのスタートアップ/ベンチャー企業の採用担当者の方こちら

※スタートアップ/ベンチャー企業への転職をお考えの方こちら

※キャリアウェイク【Career Wake】に掲載されている社長インタビューこちら

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